IPU流”セルフマネジメント・ソフトボール”で、2年連続大学日本一へ! 日本大学選手権で優勝を果たした、男子ソフトボール部のセルフマネジメントに密着!

2022年9月に行われた、第57回全日本大学男子ソフトボール選手権大会の決勝戦。8ー2のリードで迎えた京都産業大学との決勝戦最終回の7回裏2死無走者、カウント0ボール2ストライク。右腕エース景山蓮投手(3年)が、渾身の力を込めて投げ込んだライズボールに、相手打者のバットが空を切りました。MAX125キロを超える豪球右腕が、全開の笑顔のまま両手を挙げると、3秒足らずでマウンドに歓喜の輪ができました。

目次

全国の強豪校を破り、6年ぶりに全日本大学選手権の頂点へ返り咲き

6年ぶり3度目の全日本大学男子ソフトボール選手権大会優勝を果たした、男子ソフトボール部

全日本大学選手権は3日間で5試合を戦い、IPUの失点は決勝戦の2点だけでした。U23(23歳以下)日本代表の井上裕太郎選手(4年)は、内野手ながら決勝戦を含む3試合に投手として先発。指先の豆をつぶしながら、決勝戦もわずか1失点にしのぎ、3年生エースの景山投手を支えました。また、高草昂大内野手(3年)は5割の打率で投手陣を援護し、勝利に貢献しました。第1回大会から57回大会まで毎回出場中の国士舘大学、過去に優勝4回を誇る早稲田大学など、強豪校を圧倒的な投打の力で下し、日本一の称号を取り戻しました。

3日間で5試合を戦い、失点は決勝戦の2点のみという好成績を残し、全国の強豪校を相手に見事優勝を果たした
西村監督(写真中央)と一緒に優勝の喜びを分かち合う男子ソフトボール部のメンバーたち

前回優勝から6年のブランクを経て、IPU男子ソフトボールは日本大学選手権(全日本インカレ)の頂点に返り咲きました。3年前には西村信紀監督が、難病の脊髄空洞症を患い、グラウンドに入る回数が減りました。また、コロナ禍により練習自体が思うようにできない日々もありました。勝負強い打撃で、今大会の最優秀選手賞(MVP)を獲得した前主将の谷口将隆内野手(4年)は、2010年、2016年に続く、2022年の3度目の優勝後のインタビューで「監督、コーチがなかなか練習に来られない中で、選手一人ひとりが役割を持って練習した成果なので、本当にうれしいです」と、勝利の喜びを噛み締めました。

力強い打撃で、今大会の最優秀選手賞(MVP)を獲得した前主将の谷口将隆内野手(4年)

谷口将隆内野手
経済経営学部 現代経営学科4年
岡山県共生高等学校出身
内定先:平林金属株式会社
男子ソフトボール部 前主将

全選手がセルフマネジメントを行い、常にチームとしての進化を図る

全選手がそれぞれの形で、「チームの勝利に貢献できた」と感じられるセルフマネジメント(自主性ソフトボール)環境が、今の男子ソフトボール部の強さの秘密です。月曜日、大学の講義が終わり、専用球場に集まってきた選手たちは、グループに分かれて、その週の取り組みを決め、グラウンドで練習を行います。

IPU男子ソフトボール部の取り組み

  1. グループごとに、前週末の練習試合や公式戦で出た課題を抽出(Check=評価)。
  2. 1週間の練習メニューを組みたてる(Planning=計画)
  3. 月・火・木・金の練習で、課題を克服(Action=改善)。
  4. 週末の実戦で、〝課題克服〟〝チームとしての進化〟を確認(Do=実行)。

企業が生産性や業務効率の向上をはかるために繰り返す、いわゆるPDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)と少しだけ順序は異なりますが、IPU男子ソフトボール部独自のサイクルで、個人とチームの改善を繰り返し、強化を図ってきました。この取り組みについて、「みんなが責任感を持って、小さな目標からどんどん達成しました」と前主将・谷口内野手は語ります。

もちろん公式戦の選手登録は30人で、ベンチ入りは25人ですから、全員が常にプレーヤーとして貢献できるわけではありません。ただし、試合に出る出ないを問わず、ミーティングの場には全選手が加わり、実戦で見えたチームの課題や今後のトレーニングメニューについて意見を口にします。そして、ベンチメンバーのケガや上級生の卒業によってポジションが空き、自分の番が回ってきた時に、前任者のプレーとクオリティの差が出ないように備えます。西村監督は「たとえ今選手登録されていなくても、4年間で必ず自分たちの時代は来ます。その時にあわてて準備しても間に合いませんから、常日頃の準備が重要」と言います。

〝勝つための的確な指示〟を道標とし、常勝軍団を目指す

学生たちが、自主的に改善を繰り返して作り上げたチームに、指揮官は〝スペシャルな味付け〟をし、グラウンドへ送り出します。仕上げを行うのは、かつて日本代表のエースに君臨し続け、引退後は日本代表監督も務めた日本男子ソフトボール界のレジェンド・西村信紀監督。日本リーグでは選手として7連覇を含む15度の優勝を経験し、日本選手で初めて世界選手権に5大会連続で出場、2010年には国際ソフトボール連盟の選手部門で殿堂入りを果たしています。トレーニングや試合中に西村監督がささやく、〝勝つための的確な指示〟が、常勝軍団に近づくための道標(みちしるべ)です。

「次のインカレで連覇を狙えるのは、IPUだけですから、そのことをモチベーションに戦ってほしい」
と新チームの選手たちに期待を寄せる西村信紀監督

新チームの主将を任される高草内野手は「すごい世界をご存知の方。監督のアドバイスは絶対にすべて使えます」と、西村監督に全幅の信頼を置きます。車椅子生活が続くため、ベンチでの采配は大学のOBで、日本リーグ平林金属の現役選手でもある平本拓朗コーチに任せることもありますが、世界のソフトボールを肌で知り、男子ソフトボール部の創部から多くの日本リーグ選手を輩出してきた指揮官の発する一言は、常に選手たちの支えです。その西村監督は今、「1度優勝しないことには、連覇はありえませんし、優勝したからこそ連覇が狙えます。次のインカレで連覇を狙えるのは、このチーム(IPU)だけですから、そのことをモチベーションに戦ってほしい。まだまだ発展途上の若い選手ばかりですが、少しでも多くのケースごとの対応力を伸ばしてあげたい」と、新チームの選手たちにも期待を寄せます。

「監督のアドバイスは絶対にすべて使えます」と西村監督のアドバイスを元に
新チームを引っ張る新主将の高草昂大内野手(3年)

高草昂大内野手
経済経営学部 現代経営学科3年
近畿大学附属広島高等学校 東広島校出身
男子ソフトボール部 主将

2年連続大学日本一を目指して、思いを受け継いだ新チームが始動へ

全日本大学選手権3度目の全国優勝を支えた井上選手、平林金属に入社し、ソフトボールを続ける谷口前主将(内野手)らは卒業しますが、2人に替わる中心選手も育ってきています。「僕がいたポジションに入る選手は、僕以上の実力がありますし、他の4年生がいたポジションにも、同じぐらいの力がある後輩がいます。チーム全体の力が落ちることは全くありません。2連覇、3連覇を楽しみにしています」と谷口将前主将(内野手)は、次世代の選手たちの飛躍を確信しています。

谷口前主将(内野手)から、4番打者も受け継ぐ可能性が高い高草主将は「高校の時は、全国大会に出場できるようなチームではありませんでした。そのため『1回でも全国優勝したい』と思ってIPUに入学しました。昨年、目標が達成できましたので、今は、その上の『日本リーグで選手としてプレーしてみたいな』と思っています。そのためには、連覇して自分の力をアピールしないといけないですね」と話します。

谷口前主将から繋がれたバトンを受け取って、新チームでも全日本大学選手権2連覇を目指す高草主将

未来の自分とチームの形を〝セルフプロデュース〟する取り組みは、IPU男子ソフトボール部の伝統として、今後も続いていきます。

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